Flash Whereabouts

2015年 インスタレーション

2015年にGallery G-77にて発表されたインスタレーション作品「flash whereabouts」の記録映像です。

作品入口を入ると、灯りひとつない真っ暗な空間が広がっています。鑑賞者が動くと、それに反応して目の前に光が差し、一つの鏡が現れます。鏡は割れており、ヒビが入った楕円系の光を壁に反射しています。近づいてみると、またその動きに反応して少し離れた所に光が差し、もう一つの鏡が現れます。その鏡は先ほどの鏡と一見、同じ物に見えます。鏡の周りの飾り枠の部分の汚れや傷までも同じ位置に付いています。ですが、鏡の部分は違った割れ方をしています。そして違ったヒビの光を壁に反射しています。鑑賞者が動かず、何もせず、じっとしていれば、しだいに光は消えていき、また闇に包まれます。しかし、動き、進むことで、次々と新しい光が差し、鏡が一つづつ現れていきます。全ての鏡は同じ見た目をしていますが、割れ方は全て違っています。奥に進めば進むほど、割れ方は激しくなっていき、ヒビは細かく入っていくようになります。いくつもの鏡と出会いながら一階の展示空間から二階の展示空間へ辿りつく頃には、鏡はかなり激しい割れ方にまでなっており、最初は楕円形の形を保っていた光の反射も、壁や天井や床へと、小さい光の粒子が散らばるように反射していきます。二階から三階屋上にさらに進むと、屋上には唯一割れていない鏡を見つけることが出来ます。そして、今度は二階から一階へと、一度辿ってきた道をふたたび進み、出会ってきた鏡を遡り、最初に入口であった場所に戻っていきます。