2004年 インスタレーション
2004.9.9 – 9.19@石田大成社ホール
部屋があります。
入口の扉には『どうぞこの部屋の中のものを自由に御覧下さい』
とあります。中へ入ると、中央に椅子が一脚置かれています。
部屋は薄暗く、椅子の周りだけが明るく照らされています。
椅子の傍らには、金庫が一つあります。その金庫にはダイヤル
錠が掛かっています。椅子の上には、一冊の書物があります。
語のあらすじはこうです。
中央に椅子と金庫がある部屋に入り込んだ人の話です。
登場人物は『ある部屋に入り込んだ人』だけです。
書物の中のその人物は、金庫のダイヤルナンバーを知っており、
左47右75で鍵を開けると、中に入っていた札束ならぬ白紙の束から紙を1枚
抜き取ります。
次に、それを持って椅子の背後の壁の前に立ち
その壁を押します。すると、壁が扉の様に開き
その先には黒い短い廊下が続いています。
書物の人物は、壁の向こうへと進んで行きます。
廊下の空気はとても生温かく停滞しています。
中程に黒いポストのような箱があり、
突き当たりにはドアスコープ付きのドアが見えます。
その人物は、持って来た白い紙を、黒いポストに差し入れます。
すると、内でジジ…と機械音がして
「○年○月○日○時○分」
と現在の時刻が刻印されて紙が戻ってきます。
その紙を持って突き当たりのドアまで
来たその人はスコープを覗きます。
すると、一面に雪のような白いものが
降り積もった暗く広い部屋が見えます。
そしてそこにも、中央に1つ
黒いポストが立っています。
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石田大成社ホール/京都
ミクストメディア
舞台制作:西川翔太
パンフレット制作:坪川まさし
プロデュース協力:久保昇平
協賛:花梨、関西巻取箔工業株式会社、Sunshine Cafe、上海バンド、樹月、樹理依